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内積の定義・
ベクトルのなす角→
例題 1(内積の計算),
2(図形を利用した内積の計算)
内積の定義

でない2つのベクトル

,

のなす角をθとするとき,

と

の
内積を

と表す。

ただし,

または

の場合は,

とする。
内積はベクトルではなく数です。
また,内積の表記

の・は掛け算ではないので,×に変えたり省略したりはできません。
ベクトルには和や差,実数倍などはありますが,ベクトル同士の積は無いことに注意しましょう。
ベクトルのなす角

右図のように,ベクトルを平行移動して2つのベクトルの始点を揃えます。
このとき,2つのベクトルの間にできる角θ (0≦θ≦180°)をベクトルの
なす角といいます。
【例題 1】
なす角をθとしたとき,次のベクトルの内積を求めなさい。
\ \ |\vec{a}|=5,\ |\vec{b}|=7,\ \theta=90^\circ )
(1) ベクトルの大きさ,なす角をそのまま公式に代入しましょう。

(2) ベクトルの大きさとなす角を公式に代入します。

(3) ベクトルの大きさとなす角を公式に代入します。

ベクトルのなす角が90°(直交)の場合,内積は0になります。
解法のポイント
図形から内積を求めるときは,ベクトルの大きさとなす角を求めて公式に代入します。
なす角を求めるときには,始点が揃っているか必ず確認しましょう。
(1) 2つのベクトルは大きさが2,正六角形の角は120°なので,なす角は120°です。これらを公式に当てはめて内積を求めます。

(2) BEの長さは4,FEの長さは2です。2つのベクトルは始点が揃っていないので,なす角を求める前に,片方を平行移動して始点を揃えましょう。

始点が揃っているならどちらを移動させても問題ありませんが,今回はFが始点になるように

を平行移動させました。なす角は60°であることがわかります。これらを公式に代入して内積を求めましょう。


をBに始点が来るように平行移動させると

と一致するので,

と

の内積を考えても答えが出てきます。
(3) 2つのベクトルの大きさはどちらも2です。また,始点が揃っていないのでなす角を求める前に始点をそろえる必要があります。

右図では

をDが始点になるように平行移動させました。なす角は180°です。
ここから内積は

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